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2023/03/19 08:27気になった本
おはようございます。
ある新聞記事がきっかけで、気になった本を読みました。
「将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。将来に向かってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」
これは「変身」などの名作を残した作家カフカが、結婚したいと思っていた女性に書いた恋文です。カフカは、人生に臆病だった人のようで、絶望の人、カフカといわれます。
そして希望の人、ゲーテ。
「希望は、わたしたちが生きるのを助けてくれます。」これに対するカフカは、「朝の希望は午後には埋葬されている。」
希望と絶望、明と暗のそれぞれの名言が交互に出てくる本でした。当然、ゲーテのポジティブな言葉の方が誰だっていいに決まっているのにと思いながら読み進めていましたが、ネガティブのよさも見つけられるようになりました。
ひどく落ち込んでいる時は、ゲーテの言葉は眩しすぎます。かえってカフカの暗い言葉の方が寄り添ってくれるようで救われます。
そして、気持ちを持ち直した時には、カフカの言葉はまた後戻り、ゲーテの言葉が光の方へと導いてくれるような気持ちになります。
本を読みながら、この希望と絶望の間を行ったり来たりしている自分自身が面白いなと思ってしまいました。